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クルアーンの索引

 

37. 整列者 (アッ・サーッファート) 

章の説明:

第34章の初めで紹介したように,本章は,精神界の神秘が解明される第4番目の章で,この章名は,冒頭の話にちなんで名付けられ,マッカ中期の初めのころの啓示である。アッラーの教えが究極において優位を占めるに至る啓示で始まり,最後の審判の真実を断言し,ヌーフからユーヌスに至る初期の預言者たちの布教について注意が促がされ,ムハンマドの勝利についての啓示をもって結ばれる。


慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

1. 整然と列をなす者たちにおいて。

2. 駆り立て追う者において。

3. また訓戒(のグルアーン)を読み聞かせる者において,誓う。

4. 本当にあなたがたの神は,唯一の主である。

5. 天と地,そしてその間にある凡てのものの主,また日の出を司どる主である。

6. 本当にわれは,星々で下層の天を飾り,

7. (アッラーの命令に)逆らう悪魔にたいする守りとした。

8. かれらは八方から撃たれ,最高の会議を盗み聞くことは出来ない。

9. 撃退されて,かれらは永久の懲罰を受ける。

10. 盗聴し得た者があっても,白熱の炎が追跡する。

11. かれら(マッカの多神教徒)に問え。「かれらとわれの創った者(天使)のどちらが強く創られているか。」われはもともと,粘りのある泥でかれらを創ったのである。

12. あなたは感嘆しているというのに,かれらは嘲笑する。

13. 警告されても,かれらは警告を受け入れない。

14. またかれらは,印を見ても嘲笑するばかり。

15. そしてかれらは言う。「これは明らかに魔術にちがいありません。

16. わたしたちが死んで土と骨になってから,(また)呼び起こされましようか。

17. 遠い祖先たちも(一緒にですか)と言う。

18. 言ってやるがいい。「その通り。あなたがたは卑しめられるのである。」

19. それは只一声の叫びである。その時かれらは(恐ろしい光景を)目の当たりに見て,

20. 「ああ情けない,これが審判の日ですか。」と言う。

21. 「これはあなたがたが信じなかった区分の日である。

22. 不義を行っていた者たち,その妻たち,またかれらがアッラーを差し置いて拝していたものたちを集めなさい。

23. かれらを火獄への道に連れて行け。

24. いや,かれらを待たせておけ。かれらに尋ねることがある。

25. あなたがたが助け合わないのはどうしたことか。」

26. いや,今日ばかりは,かれらも(審判に)服する。

27. かれらは互いに近づき尋ね合う。

28. 一方は言う。「本当にあなたがたは,右から来ました。」

29. すると他方は言う。「いや,あなたがたは,(もともと)信者ではありませんでした。

30. また,わたしたちはあなたがたに押し付ける権威もありませんでした。それにあなたがたは反逆の徒でした。

31. それで主の御言葉が,わたしたちに実証された今,わたしたちは,(懲罰を)味わわねばならない。

32. わたしたちはあなたがたを迷わせたが,わたしたち自身も迷っていたのです。」

33. こうしてその日,かれらは,(凡て)共に懲罰を受ける。

34. 本当にわれはこのように罪を犯した者を処分する。

35. かれらは,「アッラーの外に神はありません。」と告げられると,いつも高慢になった。

36. そして,「気狂い詩人のために,わたしたちの神々を捨ててなるものですか。」と言っていた。

37. いや,かれは真理を(お?)して,(かれ以前の)預言者たち(の啓典)を確証する者である。

38. あなたがたは,必ず痛ましい懲罰を味わうであろう。

39. どうせ皆あなたがたが行ったことの報いである。

40. だがアッラーの忠誠なしもべたちは,別である。

41. それらの者には,定めの恩恵があり,

42. (喜ばしい)果実,そして栄誉が(授けられ),

43. 至福の楽園の中で,

44. 寝床の上で向かい合う。

45. 清い泉からくんだ杯は,かれらにゆきわたり,

46. 真白(な美酒は),飲む者に心地よい甘さ。

47. これは,頭痛を催さず,酔わせもしない。

48. またかれらの側には,伏し目がちな大きい目(の乙女)がいる。

49. かの女らは,注意深く守られている卵のよう。

50. やがてかれらは,互いに近づき尋ね合う。

51. かれらの一人が,口を切って言う。「わたしに一人の親しい友がいました。

52. かれは言っていた。『あなたまで(復活の日を)信じているのですか。

53. わたしたちが死んで土と骨になってから,本当に審判されるのでしょうか。』」

54. また言った。「まあ皆さん見下ろしてみなさい。」

55. そこでかれが見下ろすと,火獄の只中にかれの姿が見えた。

56. かれは言った。「アッラーにかけて,あなたはもう少しでわたしを破滅させるところでした。

57. もし主の御恵みがなかったならば,わたしは必ず引き立てられる者の中にいたでしょう。」

58. 「わたしたち(楽園の仲間)は,最初の死だけでまた,

59. 死ぬことはないのですか。また,わたしたちが,懲罰を受けることはないのでしょうか。」

60. 「そうであるならこれは,至上の幸福の成就です。

61. このようなことのために,行動し努力すべきです。」

62. それは結構な歓待ではないか。それともザックームの木(をとるの)か。

63. われはこの木を不義を行う者への試みとして,用意したのである。

64. それは地獄の底に生える木で,

65. その実は,悪魔の頭のようである。

66. かれらはこれを食べて,腹はそれでいっばい。

67. それから上に沸騰する湯を注ぎ足され,

68. それから火獄に帰り着くのである。

69. かれらは祖先の迷っていたのを認めながらも,

70. その足跡を急いで(歩いて)いたのである。

71. 昔の多くの祖先たちも,確かに迷っていた。

72. だがわれはかれらに,必ず警告者を遺わした。

73. 見るがいい。警告されても無視した者の最後が,どうであったかを。

74. (だが)アッラーの忠誠なしもべたちは,別である。

75. 且つてヌーフはわれに哀願した。われは最も優れた応答者である。

76. われは,かれとその家族を大難から救った。

77. そしてかれの子孫を生き残らせた。

78. また後の幾世代に渡り,かれのために(祝福の言葉を)留めた。

79. 「万物(人間,天使,ジン)の中で特にヌーフの上に平安あれ。」と(われからの有難い御言葉を)。

80. われはこのように,正しい行いの者に報いる。

81. 本当にかれは,信心深いわがしもべであった。

82. それからわれはその外の者を,溺れさせた。

83. またかれの後継者の中にはイブラーヒームがいた。

84. かれが純正な心をもってかれの主の許にやって来た折に,

85. 自分の父やその一族に向かって言った。「あなたがたの崇拝するものは何ですか。

86. アッラーを差し置いて瞞しの神々を御望みなのですか。

87. いったい,万有の主に就いて,あなたがたはどのように考えておいでなのですか。」

88. その時かれは諸星を一目見て,

89. 言った。「わたしは,本当に(心が)痛む。」

90. 人々はかれに背を向けて去った。

91. その時かれ(イブラーヒーム)は,かれらの神々に向かって言った。「あなたがたは食べないのですか。

92. あなたがたは,どうしてものを言わないのですか。」

93. そこでかれは,かれら(偶像)を右手で打った。

94. その時人びとは,慌ててかれの処へやって来た。

95. するとかれは言った。「あなたがたは,(自分で)刻んだものを崇拝するのですか。

96. 本当にアッラーは,あなたがたを創り,またあなたがたが,造るものをも(創られる)。」

97. 人びとは言った。「かれ(イブラーヒーム)のために炉を築き,燃え盛る火の中に投げ込みなさい。」

98. このようにかれに策謀を巡らせようとしたが,われはかれらを散々な目に会わせた。

99. かれは言った。「わたしは主の御許に行こう。必ずわたしを導かれるであろう。

100. 主よ,正しい人物になるような(息子)を,わたしに御授け下さい。」

101. それでわれは,優しい思いやりのある男児を(授けるという)昔報を伝えた。

102. (この子が)かれと共に働く年頃になった時,かれは言った。「息子よ,わたしはあなたを犠牲に捧げる夢を見ました。さあ,あなたはどう考えるのですか。」かれは(答えて)言った。「父よ,あなたが命じられたようにして下さい。もしアッラーが御望みならば,わたしが耐え忍ぶことが御分りでしょう。」

103. そこでかれら両人は(命令に)服して,かれ(子供)が額を(地に付け)うつ伏せになった時,

104. われは告げた。「イブラーヒームよ。

105. あなたは確かにあの夢を実践した。本当にわれは,このように正しい行いをする者に報いる。

106. これは明らかに試みであった。」

107. われは大きな犠牲でかれを贖い,

108. 末永くかれのために(この祝福を)留めた。

109. 「イブラーヒームに平安あれ。」(と言って)。

110. このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。

111. 本当にかれは,わが信心深いしもべであった。

112. またわれは正しい人物,預言者イスハークの(誕生の)吉報をかれに伝えた。

113. そしてわれは,かれとイスハークを祝福した。だがかれらの子孫の中には正しい行いをする者もあり,また明らかに自らを損なう者もあった。

114. われは,ムーサーとハールーンに恩恵を施した。

115. またかれら両人,そしてその民を大きな災難から救い出し,

116. われが助けたためにかれらは(その困難を)克服することが出来た。

117. なおわれは,両人に(事理を)明瞭にさせる啓典を授け,

118. かれらを正しい道に導いた。

119. われは後の幾世代に渡り,かれらのために(この祝福を)留めた。

120. 「ムーサーとハールーンに平安あれ。」(と言って)。

121. このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。

122. 本当にかれら両人は信心深いわがしもべであった。

123. 本当にイルヤースも,使徒であった。

124. かれがその民にこう言った時を思え。「あなたがたは主を畏れないのですか。

125. あなたがたはバアルに祈って,最高の創造主(アッラー)を見捨てるのですか。

126. アッラーこそあなたがたの主,昔の父祖たちの主ではないのですか。」

127. だがかれらはかれ(イルヤース)を嘘付きであるとした。だから必ず(処罰に)臨むであろう。

128. (かれらの中)敬虔な,アッラーのしもべは別である。

129. われは後の幾世代に渡り,かれのために(この祝福を)留めた。

130. 「イルヤースに平安あれ。」(と言って)。

131. このようにわれは,正しい行いをする者に報いる。

132. 本当にかれは信心深いわがしもべであった。

133. ルートも(われが)遣わした者であった。

134. 見よ,われはかれとその家族の凡てを救った。

135. 後に残る者の中にいた,老婆の外は。

136. そうしてわれは,外の者を滅ぼしてしまった。

137. あなたがたはかれらの(遺跡の)傍らを,昼

138. 夜通っている。あなたがたはそれでも悟らないのか。

139. 本当にユーヌスも,使徒であった。

140. かれが(荷を)満載した舟に(乗って)逃れた時,

141. かれは籤を引いて,負けてしまった。

142. (そして海に投げ込まれると)大魚に丸呑みにされ,かれは自責の念にかられた。

143. かれが(梅悟して主を)讃えなかったならば,

144. かれら(人びと)が(復活して)起こされる日まで,必ずかれは魚の腹の中に留まったであろう

145. だがわれは,荒れ果てた(岸辺)にかれを打ち上げた。かれは病んでいた。

146. われはかれの上に,1本のヒサゴ木を繁らせ(影を作った)。

147. そして10万人,またはそれ以上(の民)にかれを遣わした。

148. かれらが信仰に入ったので,われはしばし現世の享楽を許した。

149. さてかれらに問え。「あなたがたの主は娘を持ち,かれら(マッカの多神教徒)は息子を持つというのか。

150. それともかれらは,われが天使たちを女に創ったと証言するのか。」

151. 見よ,かれらの言うことは作りごとである。

152. アッラーが子を生まれるとは,かれらも嘘付きの徒である。

153. かれは息子よりも,娘を選ばれるとするのか。

154. どうしたのか。あなたがたはどう判断するのか。

155. あなたがたはなお訓戒を受け入れないのか。

156. それともあなたがたに明瞭な権能があるのか。

157. あなたがたのいうことが真実ならば,あなたがたの啓典を出してみなさい。

158. かれらは,かれとジンは親類であるといっている。だがジンは自分たちが(懲罰に)臨むことをよく知っている。

159. アッラーに讃えあれ。(かれは)かれらが配するものから(超絶なされる)。

160. だが謙虚に奉仕するアッラーのしもべたちは,別である。

161. だがあなたがたにしても,あなたがたが崇拝するものでも,

162. かれに反抗して(信者たちを)誘惑することが出来ようか。

163. 燃え盛る火で,焼かれる者は別にして。

164. (整列している者たちが言う。)「わたしたちは各々定めの部署を持っています。

165. わたしたちは(奉仕のため)整列して,

166. 慎んで(アッラーを)讃え唱念します。」

167. また,かれらはいつも言っていた。

168. 「もしわたしたちが,昔から訓戒を持っていたなら,

169. わたしたちも,確かにアッラーの謙虚なしもべであったでしょう。」

170. ところが(実際にクルアーンが与えられれば)それを拒否する。だが間もなくかれらは知るであろう。

171. 確かにわれの言葉は,わが遣わしたしもべたちに既に下されている。

172. かれらは,必ず助けられよう。

173. 本当にわれの軍勢は,必ず勝利を得るのである。

174. あなた(ムハンマド)はかれらから暫くの間遠ざかって,

175. かれらを監視しなさい。やがて,かれらは目覚めるであろう。

176. だがかれらは,わが懲罰を急ぎ求めている。

177. だがそれが実際にかれらに下ると,それまで警告を受けているだけに寝覚めの悪い朝となろう。

178. それであなたはかれらから暫くの間遠ざかって,

179. かれらを監視しなさい。やがて,かれらも目覚めるであろう。

180. あなたの主,威徳の主,かれらが配するものから(超絶なされる)主に讃えあれ。

181. 使徒たちに平安あれ。

182. 万有の主,アッラーに讃えあれ。

 

 

 

クルアーンの索引

日本ムスリム情報事務所, 1998-2003.